人を磨く

宮大工棟梁への道程

田中建設で「棟梁」になった人たちは最低10年、以下のような経験を積んでいます。技術の習得はもちろんですが、日々の修行の中からそれぞれがさらに切磋琢磨し、棟梁としての統率力を身につけているのです。

職人1〜2年目

どんな職種であっても、はじめは雑用から。先輩方の横で雑用をしながらも覚えることは山ほどあります。また、刃物の手入れに関しては、半年、一年で身に付くものではありません。とりあえず研いでみる、からスタートし、たくさんの刃物を研ぐことで、腕も磨かれていきます。

職人3〜4年目

部材と部材を結合する部分をつくる仕事です。外からは見えないところですが、建物を構造するうえでは大変重要な仕事です。同一方向の木材をつなぐ部分を『継ぎ手』、異なる方向の木材をつなぐのを『仕口』と言い、墨付けされたものをノミやノコを使って加工していきます。この手法には先人たちの伝統の技や知恵がたくさん詰まっていますので、一つひとつの構造を覚えながらその技術を自分のものにしていきます。

職人5〜6年目

建築での造作とは、梁や柱、土台といった軸組を終えた後に取り付ける工事のことで、壁や床、屋根、敷居、間仕切り、天井などが含まれます。目に見える部分ですから、カンナ等を使って美しく、繊細に仕上なければなりません。

職人7〜8年目

野物、つまり建設後は屋根裏や壁の中に入って見えなくなる木材に墨で印を付ける仕事は、木工の加工における重要なプロセスです。単に線を書くだけではなく、クセのある木をどのような向きに収めるかということもここで決めなければなりません。木を見る力が必要な工程なのです。 また、軒の加工は、建物のバランスや美しさの決め手になります。このあたりから、技術ばかりではなくセンスも求められます。

職人9〜10年目

すべての工程をまとめる棟梁の補佐をすることで、全体を見る力を養います。 また、職人をまとめて引っ張っていくリーダーとしてふさわしい人格を磨くことも課題とされます。『人格を磨く』なんて、言葉では簡単ですが短期間でできることではありません。仕事の中から、そして仲間との人間関係を深めながら少しずつ積み上げていくのです。