技を磨く

職人の道具

道具における『技』とは

道具における『技』とは…。

大工の仕事は道具がなければ始まりません。道具における『技』とは、道具の特性を知り、使いこなし、そして管理(手入れ)すること。磨かれた腕と磨かれた道具が一体となって初めて建物づくりができるのです。

道具の種類

鑿(ノミ)

彫刻全般、仕口や継手を刻んだり穴を彫ったりする道具です。

追入れノミやたたきノミ、丸ノミ、薄ノミ、彫刻ノミなど、日本の大工道具の中で最も種類が多いとされています。

鑿(ノミ)

鉋(カンナ)

木を削る道具で、木製の台に一枚、まはた二枚の刃が仕込まれています。カンナには平面を削るものや曲面を削るもの、角を削るもの、と用途によって刃の種類があります。近年は、電気鉋や木工機が普及したため、手鉋を使うことが減ったと言われていますが、宮大工にとっての手鉋は健在、仕上げのとても大切な仕事です。

鉋(カンナ) 鉋(カンナ)

玄翁(げんのう)

ノミを打ち込む時やカンナを調整する時、通常の建築物の際には釘を打ったりする時に使う道具です。よく見ると、一方は平らな面で、もう一方は緩やかな丸みを帯びた面になっています。この丸みのある面は、ほぞ穴の周りを叩いて、木の表面を凹ませ、接合面の隙間ができないようにする役割もあります。

玄翁(げんのう)

墨壷(すみつぼ)

木材に直線を引くための道具で、その昔、大工界における三種の神器の一つと言われていたほど重要なもので、長い歴史を持っています。(ちなみに後の2つは『釿(ちょうな)』と『曲尺(さしがね)』)

表には彫刻が施されていて、糸と糸車、墨を入れる壷で構成されています。糸車の糸が墨壷を通ることで糸に墨が含まれ、その墨が木材に付いて線を引きます。

墨壷(すみつぼ)

手入れの技

鉋やノミなどは、刃研ぎなどの手入れ次第ですぐに切れ味が変わってしまいます。道具の質は、仕事に大きな影響をおよぼすので、道具の手入れは丁寧に行なわなければなりません。当社では、入社後初めて覚えるのがこの道具の手入れ方法です。研いだり磨いたりしているうちに、道具に愛着がわき、そのうち、道具の持つクセが分かるようになります。しかし、一人前に手入れができるようになるには1?2年はかかると言われるほど奥の深いものでもあります。職人たちは毎日地道に道具と向き合い、経験を積み重ねて、道具の持つ最高の切れ味を引き出す技術を身につけているのです。